台風9号周辺の湿った空気が、台湾を南北に貫く中央山脈を越えて吹き下ろした影響で、東部・台東県では11日、各地でフェーン現象が発生した。一部では37度を観測するなど厳しい暑さとなったが、県内に住む台湾原住民(先住民)族アミ族の豊年祭は予定通り開催された。
中央気象署は同日午前10時ごろから、同県にフェーン現象への注意情報を相次いで発表した。大武郷、太麻里郷、卑南郷や海岸部の長浜郷では、36度以上になるとして注意を促した。台東市富岡では正午ごろ37度を観測。同署台東気象観測所の陳白楡主任は屋外活動や激しい運動を控え、水分補給や熱中症対策を徹底するよう呼びかけた。
台風9号は11日午後4時現在、台北の北北東約250キロの海上を時速28キロから23キロに速度を落としつつ、北北西から北西に向きを変えながら進んでいる。台湾では中度台風に分類されており、11日は台東県を除く台湾本島の全自治体が台風休暇を実施した。一方、台東県は離島地域を除き、休校・休業の基準を満たさず、唯一、通常通り勤務・授業が行われた。
豊年祭はアミ族が豊作への感謝と祖先への祈りを捧げる伝統行事で、毎年夏に各地で開かれる。開催時期は集落ごとに異なり、10日から11日にかけて開催された地域もある。伝統衣装を身にまとった若者らが歌や踊りを披露し、フェーン現象による熱風が吹く中でも、参加者は伝統文化を守り継ぐ思いを新たにしていた。