台北市立動物園の「台湾動物エリア」にこのほど、新入りのタイワンヤマネコ3匹が登場した。いずれもけがで同園に収容された個体で、話し声や足音を小さくしないと、姿を見せてくれないことがあると園側は3匹を観察するコツを紹介した。
7日の報道資料で伝えた。3匹は「捲心餅」「平平」「阿給」。それぞれ農業部(農業省)林業・自然保育署がけがをした野生動物を対象とした関連の救護計画を経て入園した。野生復帰は「不適切」と判断されたものの、生息域外保全において重要な役割を果たしているという。
台湾ではタイワンヤマネコは絶滅危惧種に指定されている。主に中部・苗栗県に生息しているが、近年は中部・台中市、彰化県でも記録されたことがある。
同園によれば、捲心餅は同じく同救護計画によって入園した「春捲」の子どもで、2024年に生まれた。生後4カ月のとき、野生復帰訓練を経て自然に返されたが、わなにかかって左前肢の切断を余儀なくされた。
平平は捲心餅と似たような経験をしており、トラバサミによるひどいけがで断脚をせざるを得なかった。阿給は分布地ではない北部・新北市の淡水一帯で発見された。警戒心や野生感が失われたことから、違法に飼育されていたと思われ、収容システムに入るしかないと判断された。