(台北中央社)中国の文化・旅遊部は28日、中国福建省の住民による離島・馬祖への旅行を先行して解禁し、同省の平潭と台湾を結ぶフェリーの運航が再開されたら同省住民の台湾への団体旅行も解禁するとの方針を示した。これを受け台湾で対中政策を担当する大陸委員会は同日、対等に開放するという原則に合致していないとした上で、交通部(交通省)などと調整を進めてから決定を下すとした。
中国は2019年8月から台湾への個人旅行の許可証の発行を停止しており、訪台団体旅行についてもコロナ禍で禁止して以降、いまだに解禁していない。今回示された方針は、中国を訪問中の野党・国民党の立法委員(国会議員)らが同部を訪れた際に饒権副部長が述べた。
大陸委員会は報道資料を通じ、両岸(台湾と中国)の観光旅行解禁について、台湾側の関連機関はすでに中国客を受け入れる準備が整っており、中国側が解禁すればいつでも実施可能だと説明。一方で中国が28日に示した方針は旅行者の居住地域や旅行先の制限、航路再開などの条件付きであり、対等の原則に合致していない上に、観光旅行の正常な状態ではないと指摘した。