大阪府の国立民族学博物館で先月から、台湾原住民(先住民)族の芸術作品に焦点を当てた企画展「フォルモサ∞アート 台湾の原住民族芸術の現在(いま)」が開催されている。同館によると、芸術の伝承を重んじながら、新たな創造の営みに取り組む芸術家たちの作品を紹介しているという。
台北市の順益台湾原住民博物館との共催。国際的なアートシーンで高い評価を得ている芸術家12人の作品を展示されている。
同館は台湾原住民族の芸術作品について、個人や集団の記憶が民族のアイデンティティーを伴い色濃く表現され、強い抗議や社会運動の色彩を帯びることがあると指摘。また原住民族の暮らしや文化を育んできた大地、大海との対話が創作活動の支柱になっているとした上で、伝統文化や現代化に伴う文化の喪失、地球や世界が抱える環境破壊や格差問題など、アートを通じて独自の世界を楽しんでほしいとしている。
期間中には、同館の野林厚志教授による台湾原住民族アート史に関する講座(10月18日)や台湾原住民族の世界感を解説するトークイベント(同19日)なども開催される予定。
(編集:齊藤啓介)