(台北中央社)内政部(内務省)警政署刑事警察局は4日、中国製アプリ「小紅書」(レッドノート)について、暫定で1年間のアクセス遮断を命じたと発表した。命令により、国内では同アプリを利用できなくなる。情報機関、国家安全局が実施したセキュリティー関連の検査で15項目全てが不合格だったことや、同アプリを悪用した詐欺事件の多発が背景にある。
刑事警察局によれば、小紅書の台湾での利用者は300万人を超える。国家安全局が7月に公表した中国製アプリに対する情報セキュリティー関連の検査結果で、小紅書は15項目全てで違反が見つかった。数位発展部(デジタル発展省)が3日に公表した同様の検査結果でも、全15項目で違反が確認された。
小紅書を悪用した詐欺事件の件数は昨年からこれまでに1706件に達した。被害総額は2億4760億台湾元(約12億円)余りに上っている。今年はネットオークションや分割払いの解除、投資、ロマンス、いわゆる「美人局」などの手口による詐欺が横行しているという。
同局の措置は詐欺危害防止条例を根拠に定められた「詐欺犯罪防止緊急事件規定」に基づくもの。同局は、アプリ運営会社の対応に応じて今後の措置を改めて検討していくと説明した。