国家通信社、中央通訊社(台北市)は28日、自社開発した繁体中国語ニュースメディア向けの生成AIサービス「志明編集アシスタント」(志明編輯助手)を正式にお披露目した。台北市内で成果発表会を開いた。翻訳や誤字脱字の指摘、多言語記事を情報源としたまとめ記事の作成など12の機能を備える。編集作業の時間短縮を後押しし、「記者は現場に」という力のさらなる創出を図る。
同サービスは同社メディア実験室が、米グーグルが設立した「台湾ニュースデジタル共栄基金」の支援プロジェクト「nDX台湾ニュースデジタル革新計画」の補助金を得て、1年をかけて開発した。成果発表会には、国内各大学のコミュニケーション学部の教員や学生が出席し、同サービスを試した。
志明編集アシスタントは、翻訳や誤字脱字の検出、見出しの生成、記事に合わせる画像候補の提案、裏取りが必要な箇所の指摘などの機能を有する。目玉の一つは、翻訳編集統合能力。複数の文章やURLを貼り付けると、複数の記事を自動で1本にまとめることができる。
発表会では、中国語、英語、日本語で書かれた同テーマの記事を1本の記事にするデモンストレーションが行われ、1分以内に800字前後の中国語記事の生成に成功した。
チャットボット「AskCNA」では、質問をすると直近4年のニュース資料から事件の時間軸や沿革が整理される。検索効率が向上するだけでなく、情報の真偽を再確認する手間も省略できる。将来的には「AskCNA」を一般の人にも開放し、偽情報の拡散防止に寄与することを狙う。
中央社の胡婉玲社長は、AIサービスは従来の記者や編集者の仕事に取って代わるものではないとし、AI活用によるニュース記事作成の改善は国家通信社としての使命だと述べた。
(編集:名切千絵)