東部・台東県の離島、蘭嶼沖で、フィリピン・バタン諸島の漁船が漂流しているのが見つかった。その後現地の議員を通じて船主を見つけることに成功。9月20日にも引き渡される予定だ。
原住民族文化事業基金会のマラオス董事長(会長)によると、今月13日に台湾に上陸した台風11号の後、蘭嶼東清集落の村民が沖合に無人の漁船が漂流しているのを発見。20日に竜門港にえい航した。調査の後、バタン諸島のあるバタネス州の議員のフェイスブックを通じて船主を探し、連絡が取れたという。
蘭嶼とバタン諸島の間では、過去50年間にまれに双方の漁船が漂流してくることがあったとしている。
バタネス州の関係者は9月20日に文化交流などのために蘭嶼を訪問する予定で、船主も同行して漁船を引き取る方針。バタン島への輸送に向け、マニラ経済貿易弁事処(大使館に相当)や原住民族委員会などが支援をしている。
原住民族関連の資料によれば、蘭嶼とバタン諸島で話される言葉には6割程度共通点があるとされる。バタン諸島には、現地の先住民族が津波の影響で蘭嶼に移り住んだという言い伝えがあり、蘭嶼に多く住むタオ族のオーラルヒストリーにも、祖先はバタン諸島から来たとする証言が残っている。