南部・嘉義市の嘉義大学生命科学部水生生物学科の研究チームが、新たなバフンウニのえさの開発に成功した。今後養殖のさらなる効率化に期待が寄せられている。
バフンウニはサンゴ礁や岩礁に生息し、藻や海藻を食べ、大型藻類の増殖を抑制できるとされるが、乱獲により生態数が減少。台湾海峡の澎湖県にある澎湖水産種苗繁殖場では2009年からバフンウニの人工養殖試験プロジェクトを開始。産官学連携を通じて人工的な環境下での生息率向上に取り組んでいる。
嘉義大の研究チームによると、これまでのえさは魚粉が主な原料で、高額なコストがかかる他、間接的に海洋生態系に負担をかけていたという。脱脂加工大豆を利用したえさを開発してウニに与えたところ、カルシウムやマグネシウム、ベータカロテンの相互作用で、藻を食べるウニよりも殻の成長速度が速くなった他、粘り気があるため、海に流されにくく、養殖コストが抑えられた。
チームをまとめる嘉義大の朱建宏助理教授(助教)は、新たなえさを広めて、経済性と養殖の成功率を高め、漁業関係者を助けたいとしている。