(高雄、台北中央社)台湾でバナナの価格が高騰している。昨年、複数の台風が台湾を襲った影響で、生産量が激減していることが背景にある。主要産地の一つである南部・高雄市旗山では、市警察局が民間と協力し、夜間のバナナ園での窃盗を警戒している。
先週1週間(3日~9日)の台北市第一青果卸売市場のバナナの平均価格は1キロ当たり105.4台湾元(約473円)に上った。前年同期の平均価格は40.4元(約181円)だった。旗山区農会(農協)の担当者は、昨年は台風が多かったため、旗山などの産地ではバナナが大きな被害を受けたと話す。現在の生産量は平均で平年の約2割ほどだという。昨年、台湾には3個の台風が上陸した。
高雄市政府警察局旗山分局によれば、7日には同市内門区の農園でバナナの盗難被害が発生した。被害額は約5000元(約2万2400円)だという。
旗山分局はバナナの盗難防止のため、管轄区域内の主要バナナ産地を対象に夜間照明設備や監視カメラの設置を支援し、深夜の巡回を強化した他、警察を支援する民間防衛組織、義勇警察や地元農家などと共同で、バナナを守る「見回り隊」を結成し、警備に当たっている。
旗山区農会の担当者によれば、バナナ栽培の復旧には7~8カ月かかる。農業部(農業省)農糧署の姚志旺副署長は、バナナの価格が比較的安定するのは5~6月ごろになるだろうとの見通しを示している。