(台北中央社)21日午前0時17分ごろ、南部を震源とするマグニチュード(M)6.4の地震があり、南部・嘉義県大埔で最大震度6弱を観測した。中央気象署(気象庁)は、今後3日間は嘉義や南部・台南でM5以上の地震が発生する可能性があるとし、警戒を呼びかけている。
▽余震続く
気象署の観測によれば、M6.4の地震発生後、午前1時46分までに、M4以上の比較的大きな有感地震は10回起きた。うち2回はM5以上だった。
地震観測センターはM6.4の地震について、嘉義と台南の境界で起き、余震の震源はいずれもM6.4の震源から10キロ以内だったと説明。ただ今回の地震発生のメカニズムは分かっていないとし、情報を収集し分析するとした。
郭鎧紋・元地震観測センター主任は、1964年1月18日に当時の台南県白河鎮で起き、106人が死亡、650人が負傷したM6.3の白河地震の震源との距離は遠くないとし、同じ地質構造に属するとの見解を示した。
▽建物の倒壊や停電、火災、落石などの被害
内政部消防署(消防庁)によれば、全国で26人がけがをし、病院に搬送されたという。
震度5弱を観測した台南市楠西区では複数の建物が倒壊したり損傷したりした。台湾電力によると、南部の高雄市や台南市では一時3万戸以上が停電したが、午前4時10分までに復旧した。
嘉義ではビルの外壁に亀裂が入る被害が出た他、印刷工場で火災が発生し、消防が消火作業を行った。コンビニエンスストアでは、棚の商品や天井のパネルが落下するなどの被害が見られた。
高雄市や嘉義県の山地では、複数箇所で落石や土砂崩れが発生し、復旧作業が行われている。
台湾鉄路(台鉄)と台湾高速鉄道(高鉄)は、地震後に実施した線路の点検で異常は見られず、21日は平常通り運行しているとした。
▽頼総統、余震への警戒呼びかけ
頼清徳(らいせいとく)総統は地震後にフェイスブックを更新し、余震への警戒を呼びかけ、政府機関などが発表する情報に留意するよう呼びかけた。また災害対応に当たる警察、消防、台湾電力の関係者らに感謝を示した。