(台北、パリ中央社)韓国南西部・光州(クァンジュ)で9月に開幕予定の芸術祭「光州ビエンナーレ」で、主催者の光州ビエンナーレ財団が「台湾パビリオン」の名称を国立台湾美術館の略称「NTMOFA」に変更して準備している問題で、文化部(文化省)は17日、財団に「最も厳正な抗議」を改めて申し入れた。「前向きな回答が得られない場合、権利を守るために必要なあらゆる手段を取ることも排除しない」としている。
文化部の報道資料によると、国立台湾美術館は今年初頭「台湾パビリオン」の展示企画を財団に提案した。4月には契約が結ばれ、その後も双方は台湾パビリオンの名称でやりとりを続けていたものの、6月に主催者が突如「NTMOFA」に変更した。8月に公開された、パビリオン名を並べたポスターにもNTMOFAと表記された。
これまでに同美術館や駐韓国代表処(大使館に相当)が財団や地元自治体に再三にわたって抗議しているが、回答は得られていない。
文化部は、同芸術祭が1980年の民主化運動に根ざす「光州精神」を歴史的な礎としているにもかかわらず、主催者が政治的検閲を行い、これまでのやりとりや契約をほごにしていると批判。民主主義国家の基本的価値と精神に反しているとした。その上で、台湾の文化は世界で無視できない力になっているとし、今後も文化を通じて自由と民主主義の価値を追求する台湾の姿勢を世界に発信していくと表明した。
▽芸術祭のSNSに台湾応援のコメント相次ぐ 美術専門メディアも報道
出展予定の台湾の芸術家ら10人が15日に非難の共同声明を発表したことを受け、世界から応援の声が相次いでいる。芸術祭の公式インスタグラムには「台湾パビリオンはどこにあるのか」や「光州の民主主義と人権の精神はどこにあるのか」といったコメントが、英語や韓国語、台湾などで使われる繁体字中国語で寄せられている。
また、現代美術のオンラインプラットフォーム、e-fluxも16日、この件について英語で詳細に報じた。「参加アーティストにとって、名称変更の理由について説明されていないことが論争の一部になっている」と指摘した。