(高雄中央社)台湾高速鉄道(高鉄)は28日、南部・高雄市にある乗務員用施設、南区運転センターを報道陣に初めて公開した。実際の運転席を模したシミュレーターが設置されており、定期的な訓練などを通じて、異常時の対応力の向上や維持を図っている。
高鉄には現在、約200人の運転士資格保有者が在籍し、16人が訓練中だ。関係者によると、採用に当たっては筆記試験や訓練、身体検査などを受ける必要があり、実際に運転士になれるのは受験者の約5%にとどまるという。
運転士になるまでには約8カ月、計1174時間以上の社内研修を受ける必要がある。前半は運転法規や軌道、電力、信号などを学ぶ学科講習、後半は故障時や緊急時の対応を含む実車操作訓練を受け、交通部(交通省)の運転免許試験に合格して初めて現場に立つことができる。
運転士になった後も、毎年9回、シミュレーター訓練を受けることが定められている。シミュレーターは2023年から政府系研究機関、国家中山科学研究院(中科院)と協力して設計されたもので、線路内への人の立ち入りや停電などのトラブルや事故を想定したシナリオが27本用意されており、日頃の学習や訓練の成果が問われる。
運転士の男女比はおおむね8:2。運転士歴12年の洪佳君さんは、航空機の客室乗務員を務めた後に高鉄へ入社し、4年間の車掌業務を経て運転士になった。試験に備え、重い物を持ち上げるための筋力や握力を鍛えるトレーニングを行ったと話す。
高鉄初の女性運転士、馬雅吟さんは、20年前にテクノロジー産業から転職。運転士を10年務めた後、管理職に異動したが、現在でも運転することがある。女性に男性との能力の違いはなく、きめ細やかさではむしろ有利だという。試験では重さ約20キロの地上設備を持ち上げなければならないことが難関だが、女性運転士の比率は徐々に上昇している。
2025年末現在、運転手や車掌などを含む乗務員は768人。全国に3カ所ある運転センターでは機能の強化が進められている。今月リニューアルした南区運転センターでは無料の食事や軽食を提供する他、マッサージチェアなども用意され、乗務員を万全の態勢で支えている。

