(台北中央社)立法院院会(国会本会議)で21日、行政院院会(閣議)の提案から約2075億台湾元(約9870億円)削減した今年度予算案が多数派の野党主導で可決されたのを受け、頼清徳(らいせいとく)総統は同日、「政府への影響は前例を見ないものになる」とし、業務に支障が生じる部分を迅速に点検するよう行政院(内閣)に要請するとともに、野党に対し、国家が安定的に運営できるよう改めて慎重に考えるよう呼びかけた。
予算削減額としては過去最大。行政院院会は昨年8月、歳入を3兆1534億元(約15兆円)、歳出を3兆1325億元(約14兆8900億円)とする2025年度中央政府予算案を決定していた。
頼総統は21日夜、フェイスブックを更新した。行政院院会が提出した歳出予算案のうち、必ず支出しなければならない義務的経費と一般的な補助を差し引いた金額は1兆3000億元(約6兆1835億円)程度になると指摘。削減額が占める割合の大きさを強調した上で、影響は「非常に大きい」と懸念を示し、「全く受け入れられない」と訴えた。
また、国防や外交、文化、社会福祉、経済、治安など、いずれも政策やサービスも長年の積み重ねによってこそ結果が出るとし、予算の身勝手な凍結や中断、削減は、予測し難くかつ長期的なマイナスの影響をもたらすと強調した。
▽行政院、審議のやり直しを選択肢の一つとする考え示す
行政院の李慧芝報道官は21日、立法院の説明に矛盾があり、審議全体において見直しが必要な部分があるとし、行政院として「受け入れられない」との立場を示した。その上で、救済措置として、再議(審議のやり直し)の申し立てが選択肢の一つになると説明した。