(台北中央社)与党・民進党などが30日に台北市の立法院(国会)で開いた「地震が原子力発電所に与える脅威」を議題とした公聴会に、元石川県議会議員の北野進氏ら日本の有識者2人が出席した。北野氏は地震について未知の部分が未だ多くあるなどと述べ、脱原発を訴えた。
台湾には現在、3カ所の原子力発電所があり、各発電所に発電プラントが2基ずつ設置されている。このうち第1、第2原発(いずれも北部・新北市)の各2基と第3原発(南部・屏東県)の1号機は40年の運転期間を終え、運転を終了している。第3原発の2号機も来年5月に運転終了を迎える予定。立法院では大筋で民進党が脱原発を進める一方、最大野党・国民党や第3党・民衆党は一部原発の再稼働や運転期間延長を目指す姿勢を示している。
北野氏は、能登半島では約3年半前から群発地震が起きており、地震の専門家は当時、偶発的ですぐに終息するとの見方を示していたものの、実際には昨年5月や今年1月に大規模な地震が発生したと説明。地震学や活断層調査には限界があるとした上で、台湾が来年5月に脱原発を実現することを望んでいるとした。
公聴会にはアジアの脱原発運動に従事する佐藤大介氏も出席。日本では40年を超えて延長運転されている原発が少なくないとした上で、台湾は稼動期間が40年を超えた原発を決して延長運転させないでと主張した。