(台北中央社)定例軍事演習「漢光40号」の実動演習が22日に始まった。シナリオを事前に明かさず、各部隊が指揮系統から伝えられる状況に臨機応変に対応することに焦点を当てて26日までの5日間で行う。一般市民や旅行客なども対象となる防空演習「万安47号」も22日に始まり、初日は台中市など中部・南部の7県市で実施された。
「漢光40号」実動演習初日の22日は「戦力温存」に重点が置かれた。西部に配備されている軍用機が緊急発進(スクランブル)して東部・花蓮県の佳山基地や台東県の志航基地に向かい、各基地の格納庫に入った。海軍は機雷敷設艦を定められた海域に向かわせ、中国軍の行動を遅らせることを目的に、重要な航路に防御用の機雷を設置する訓練を実施。陸軍は、敵の上陸が容易な「レッドビーチ」などで敵の動きを阻害する設備を設置した。
予備役を動員して旅団を編成する訓練も実施され、緊急召集された全国の予備役が指定の場所に集合した。
今回はシナリオを明かさずに演習を実施することから、実弾は台湾本島では安全性を考慮して使わず、離島のみでの使用となる。
防空演習「万安47号」は25日まで、地域ごとに分けて行われる。各日とも午後1時半から2時までで、警報が聞こえたら人、車両ともに警察官などの避難誘導に従う必要がある。鉄道やメトロ(MRT)などは通常通り運行されるが、下車後は避難誘導に従わなければならない。
対象地域の携帯電話には、ミサイルやロケットによる攻撃があるとして避難を呼びかけるアラートが配信される。アラートのメッセージには近隣の避難場所を示す地図のURLも記載される。
万安47号の実施日と地域は次の通り。22日=中部・苗栗県、台中市、南投県、彰化県、雲林県、南部・嘉義県、嘉義市▽23日=北部・基隆市、台北市、新北市、桃園市、新竹県、新竹市、北東部・宜蘭県▽24日=東部・花蓮県、台東県、離島・金門県、連江県、澎湖県▽25日=南部・台南市、高雄市、屏東県