(台南中央社)頼清徳(らいせいとく)副総統は8日、南部・台南市の烏山頭ダムで開かれた日本統治時代の日本人技師、八田與一の墓前祭に出席し、20日の総統就任後には日本との産業協力の深化に期待すると語った。
八田は台湾の水利施設建設などに尽力。墓前祭には台南市の黄偉哲(こういてつ)市長や日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表(大使に相当)、八田の孫、八田修一さん、八田の出身地である石川県金沢市の新保博之副市長らが出席した。
頼副総統は、八田が100年近く前、ダム建設を通じて台湾に貢献したことについて感謝を表明。農業だけでなく工業の発展に寄与したと強調し、回路線幅3ナノメートル(ナノは10億分の1)の半導体製造にも烏山頭ダムの水を使っていると語った。
また新型コロナウイルス流行時に日本政府が台湾にワクチンを供与したことや先月発生した台湾東部沖地震で日本から多くの寄付金が寄せられたことに謝意を示した上で、農業・工業の発展や困難の際に支え合う関係、インド太平洋地域の平和と安定は、全て台日が数十年かけて一つ一つ積み上げてきた結果だと強調。台日間の協力でさらなる経済発展を生み出すことを願うと述べた。