6日は中秋節(中秋の名月)に当たり、台湾ではブンタン(文旦)を食べる習慣がある。農業部(農業省)農糧署は干ばつや台風の影響で今年の生産量が平年より3割以上減少したが、品質は依然として良好だとした。
同署が2日に発表した報道資料によれば、今年のブンタンの収穫面積は前年並みの3722ヘクタールだった。だが、4月の干ばつに加え、7月には台風に見舞われたことから、その生産量が4万6805トンにとどまった。
台湾のブンタン産地は南部・台南市、東部・花蓮県、中部・苗栗県、雲林県、北部・新北市、北東部・宜蘭県などで、主に国内で販売される。生産量に占める輸出の割合は3%で、うちの9割以上は中国、香港向けだった。
2022年、中国が台湾産かんきつ類果物の輸入を禁止したため、輸出量が激減した。農家の損失軽減を図り、農糧署はその後、日本やシンガポールなどへの市場開拓を農家に指導。輸出量は今年9月24日までに1749トンに達した。内訳は中国向けが53%、香港が31%、シンガポールが9%、カナダが6%。
日本のハイエンド市場については、同署は農家にトレーサビリティー(生産流通履歴)の取得や余計な水分を蒸発させる「消水」と呼ばれる管理措置の徹底、残留農薬の自主検査などを推奨。台湾産ブンタンの優れたブランド構築を目指そうとした。