台湾には唯一、上下に昇降できる宗教施設がある。台北市士林区にある小さな廟「天徳宮」だ。1日には廟全体が地面から離れた様子が見られ、台風18号の接近に備えようとした。
70体余りの神像が収められている天徳宮。台湾で「大家楽」と呼ばれる違法博打が盛んだった1980年代、神様から求めた当せん番号が外れたことでギャンブラーに破壊され、捨てられた神像の安置場所だとされている。
埠頭に近いこともあり、豪雨や台風の襲来時に水に浸かってしまうことが多いため、神様を水害から守ろうと、後に地元の人々の出資により上下方向に移動可能な廟に改築された。