(台北中央社)画家の奈良美智さんの台湾巡回展は、北部・新北市での展示が28日に終了した。93日間の会期中、延べ8万人近くが来場した。主催団体の一つ、非政府組織(NGO)中華文化総会は、次の展示は12月に南部・嘉義で開催すると発表した。
巡回展は奈良さんが台湾のために描いた作品「Hazy Humid Day」を10年かけて台湾各地で展示するもの。2023年に南部・高雄市を皮切りに始まり、離島・澎湖県、南部・屏東県で行われてきた。
4カ所目の展示場所には、新北市瑞芳区の金瓜石エリアにある古い建物を再利用した台湾電力金水基地が選ばれ、台湾の若手芸術家4人の作品も併せて展示された。オープニングセレモニーには頼清徳(らいせいとく)総統も出席し、参観を呼びかけた。
中華文化総会の李厚慶秘書長は報道資料を通じ、「Hazy Humid Day」は奈良さんの台湾に対する深い思いが詰まった作品だと言及。台湾の風景や人情味、食べ物がアーティストにもたらした思いだけでなく、東日本大震災や新型コロナウイルスの流行時など日本が困難に直面した際に台湾がいつも手を差し伸べたことが、奈良さんが台湾で巡回展を行うきっかけになったと説明した。
また、文化総会にとって巡回展は単なる芸術プロジェクトではなく、その背後にある台日の友情の物語を多くの人に知ってもらうことを願って行っているとした上で、嘉義での展示にも期待を寄せた。