(台北中央社)南部・台南市の農業部(農業省)台南区農業改良場が、約8年かけて台湾初となる清酒原料用の水稲「台南21号」の育成に成功した。酒米育成技術の進歩を象徴するもので、25日には酒造を手掛ける六つの企業や団体と技術移転に関する契約が結ばれた。
同改良場の陳昱初場長によると、台湾の清酒市場は成長傾向にあるが、台湾で清酒を醸造する場合、台湾産の食用米では効率が酒米に劣る他、日本で主流の酒米を輸入して使用すると、日照などの気候的要因により、生産量が少なく、タンパク質含有量が多くなりがちで、風味に影響が出ていたという。
許竜欣副研究員は、理想的な酒米は粒が大きく、コメの中心が白濁する「心白」の割合が高いのに加え、タンパク質含有量が少なく、吸水性と消化性に優れているものだと指摘。日本の酒米は台湾での栽培に適していなかったため、台湾の食用米「台南16号」を母品種、日本の酒米「美山錦」を父品種として交配し、台湾の気候により適した酒米を育成したと説明した。
清酒ブランド「霧峰農会酒荘」(中部・台中市)の陳永斌工場長は「台南21号」について、心白とでんぷん含有量が食用米より多く、こうじ菌がコメの中心に深く浸透しやすく、でんぷんも分解しやすいと魅力を語った。
清酒ブランド「天衡」を手掛ける天為食(台北市)の陳慧執行長(CEO)は、清酒は台湾市場において成長の余地があると強調。台湾が独自に酒米を育成したことで、より特色のある高品質の清酒醸造が可能になると期待を寄せた。