(新竹中央社)11月に米国での打ち上げを目指す地球観測衛星「福衛8号」(フォルモサット8号)初号機「FS-8A」の出発式が7日、北部・新竹市の国家宇宙センター(国家太空中心、TASA)で開かれた。初号機は台湾の風景を空撮映像で記録し続けた映画監督、チー・ポーリン(斉柏林)さんの名を冠し、「チー・ポーリン衛星」と命名された。台湾を守るというチーさんの精神を継承していく思いが込められている。
チーさんは台湾の風景を全編空撮で描いたドキュメンタリー映画「天空からの招待状」(看見台湾)で知られる。2017年、同作の続編撮影中にヘリコプターの墜落事故で死去した。生前、25年にわたって台湾を上空から撮影し続けた。
頼清徳(らいせいとく)総統が命名した。式典であいさつした頼総統は、チーさんの作品は人々に台湾への関心と責任を呼び起こさせると語り、衛星によってチーさんの精神を宇宙にまで延ばし、台湾を守り続けていきたいと述べた。
国家科学・技術委員会の呉誠文(ごせいぶん)主任委員(閣僚)によれば、頼総統が初号機を視察した際に命名を要請したところ、「チー・ポーリン」と名付ける意向が即座に示されたという。
福衛8号は国産光学センサーを初搭載した地球観測衛星。産学共同で開発され、主要部品の国産率は84%に達した。衛星8機で構成され、このうち2機は1メートル未満の高解像度を持つ。17年に打ち上げに成功した福衛5号と比較して高い解像度を持ち、複数機の衛星を用いて運用することで、取得した画像をより頻繁かつ鮮明に地上に送信できる。
今後、順次打ち上げを進め、2031年までに8機体制とする予定。