(台北中央社)人民解放軍の軍用機が離島・金門周辺の空域で医療チャーター機に接近していたと一部メディアで報じられたのを受け、台湾で対中政策を担当する大陸委員会は9日、書面を通じて「強い非難」を表明し、中国軍の行為は人命を軽視するだけでなく、普遍的価値観への公然たる挑戦だと批判した。
独立系インターネットメディア「菱伝媒」が9日付で報じた。報道によれば、人民解放軍のJH(殲轟)7戦闘爆撃機とJ(殲)10戦闘機が数カ月前、金門周辺空域で、台湾の新興航空会社、Apexアビエーション(安捷航空)が運航する医療チャーター機に目視できる距離にまで接近したという。
大陸委は、離島は医療資源が限られるため、航空機での台湾本島への患者輸送が推進されていると説明。中国は台湾に対する武力脅迫を絶えず増加させ、台湾海峡周辺の海空域での軍事的威嚇やグレーゾーン地帯での干渉を頻繁に行い、さらには医療チャーター機まで見逃さないと批判した。
大陸委は中国に対し、人道救援に著しく影響を与え、飛行の安全に危険を及ぼす非理性的な行いをやめるよう求めた。
大陸委によれば、金門県では2018年から24年までに594件の緊急医療輸送が行われたという。