(台北中央社)推理作家、東野圭吾のベストセラー「容疑者Xの献身」が台湾で舞台化される。主演は映画やドラマ、舞台で幅広く活躍する俳優のモー・ズーイー(莫子儀)。台北市の国家戯劇院で12月下旬に初演される。
同作が台湾で舞台化されるのは初めて。主催者の笨鳥工作室によれば、2年余りの交渉を経て、舞台化の権利を獲得したという。演出・脚本はウー・ウェイウェイ(呉維緯)、音楽ディレクターはチュオ・シーヤオ(卓士堯)が務める。
ズーイーが演じるのは、隣人の母娘を救うために完全犯罪を計画する天才数学者の高校教師、石神哲哉。その謎に挑むことになる石神の旧友で物理学者の湯川学を、舞台俳優で声優のイエ・ウェンハオ(葉文豪)が演じる。
ズーイーは名門の台北芸術大学演劇学科卒で、数多くの舞台に出演してきた他、台湾の映画賞「金馬奨」やテレビ番組賞「金鐘奨」などで主演男優賞を受賞しており、演技力には定評がある。
ズーイーは自身が演じる石神について、感情を外に出さない人物であるため、人物の感情の揺れ動きをいかにして観客に感じさせるかが、自身にとって新たな挑戦だとコメントした。ウェンハオは、日本の映像化作品では湯川役を俳優の福山雅治が演じていることを念頭に、同役は福山と比べられることが多いと話し、「だから私はわざと彼の映画を見ないようにしている。台湾の舞台ならではの湯川学をつくり上げたいから」と意欲を示した。
「容疑者Xの献身」の台湾舞台版「嫌疑犯X的献身」は国家戯劇院で12月26~28日に計4公演上演される。チケットは発売中。来年上半期には中部・台中市や南部・高雄市での上演も予定されているという。