(台北中央社)全日本空輸(全日空)台北支店は5日、台北市の松山空港でタイワンヤマネコ(石虎)の保護を啓発するイベントを開催した。毎年10月5日の「石虎の日」に合わせ、農業部(農業省)生物多様性研究所や台北動物保育教育基金会と連携して実施した。
イベントでは、タイワンヤマネコの保護に関する映像を放映して現状を紹介した他、全日空の職員が羽田行きの便に搭乗する客に、特製のグッズを配布した。タイワンヤマネコ保護大使のアフー(阿虎)の着ぐるみも登場した。
同研究所の林育秀さんは、タイワンヤマネコの個体数は台湾全体で1000匹に満たないと説明し、ロードキル(交通事故死)や野犬による襲撃にさらされていると話した。
また、タイワンヤマネコは日本のイリオモテヤマネコやツシマヤマネコと同一の種で、世界的には絶滅危惧種にはなっていないものの台湾では保護種になっていると言及。主な生息地は中部の苗栗県だが、台中市や彰化県で記録されることも安定して増えており、分布拡大の兆しがあると述べた。
同支店の古牧海支店長は、生物多様性保全は社の経営戦略の一環だとした上で、今回のイベントをきっかけに利用客がタイワンヤマネコに関心を持ってくれればと期待を寄せた。