(台北中央社)台北市の人気パイナップルケーキ店「佳徳鳳梨酥」は中秋節(中秋の名月、今年は10月6日)前日の5日、フェイスブックで「尋ね人」と題して窃盗被害を報告した。窃盗犯の一連の華麗な動きを「まるで国家級パイナップルケーキスパイ行動だった」などとユーモラスに表現し、インターネット上で注目を集めている。警察によれば、すでに被害届が同店から出されており、手がかりを基に容疑者の行方を追っている。
台湾では中秋節に月餅やパイナップルケーキなどを贈る習慣があり、関連業者にとって中秋節シーズンは書き入れ時となる。
投稿によれば、窃盗が行われたのは2日午前。白い帽子にマスク姿の中年の男が、入口の誘導スタッフが水分補給をしている隙に「スパイの超高度な潜入技術で『誤って』一連の行動を完遂した」と報告した。男が列に割り込んで入店した後に注文品受け取りエリアの客に溶け込み、他の人が予約した商品を箱ごと抱えてすぐさまバスに乗り込んだ一連の流れを紹介し、監視カメラが捉えた男の犯行のあまりの滑らかさに「トム・クルーズが出動してきたのかとさえ思った」とつづった。
文末では「当店のパイナップルケーキは甘く香ばしいですが、お金を払うことをお勧めします」と促し、「ポリスのお友達がお茶を入れておじさんをお待ちしています」と注釈を入れた。
この投稿には6日午後5時現在、7万2000件を超える「いいね」と2200件超のコメントが寄せられている。
台北市政府警察局松山分局は6日、同店から2日に被害届が提出されたと明かし、容疑者の特徴や逃亡路線などを手がかりに捜査を進めているとした。