(台南中央社)南部・台南市の黄偉哲(こういてつ)市長は2日までに、市内で行われていた市定古跡「旧台南刑務所木造建築群」の修復工事が完了したと発表した。今後は文化クリエーティブや芸術などの関連事業者を募り、歴史の薫り漂う施設に生まれ変わる予定。
日本統治時代に建設された台南刑務所は戦後、「台南監獄」としてしばらく使用されていたが、1980年代までに移転した。主要な施設は現存しないが、日本統治時代に官舎として使われていた建物などは残された。老朽化が進み、放置すれば崩壊する危険性もあったため、2022年から修復が始まった。
修復の総経費は1億3千万台湾元(約6億5千万円)。
黄氏は自身のフェイスブックで、修復では元々の建材をできる限り残すことにこだわり、伝統的な工法と現代の技術を併用したと説明。建物の年代に合った木材や屋根瓦、ガラスを「台南文化資産建材バンク」から調達し、安全性と当時の面影を両立させたとした。
建築群はA、Bの2エリアに分かれており、Aエリアには職員寮や武道場、浴場が、Bエリアには所長宿舎や官舎、倉庫などがある。今後、エリアごとに運営事業者を募るという。