(大阪中央社)大阪市内で開催中の台湾文化PRイベント「We TAIWAN」で、台湾の伝統人形劇「布袋戯」(ポテヒ)の上演が11日までの3日間にわたって行われた。光の演出やプロジェクションマッピングが取り入れられた他、人気アニメ「ワンピース」のせりふや、アップルの音声アシスタント「Siri」を呼び出す場面も盛り込まれ、日本の観客らを引き付けた。
大阪市中央公会堂前の屋外広場で、各日夜6時から上演された。3回とも天候が優れない中で行われたものの、開演前から待機する人がいるほどの人気を博した。
演目には中部・台中市の新勝景掌中劇団(Shinergy Puppet Show)が2023年に制作した「デーモンハンター伝説・白光剣の再現」が選ばれた。制作に当たっては、コロナ禍により布袋劇の存続が危ぶまれていた中で「団結し、布袋戯の栄光を取り戻す」との思いが込められたという。
大阪での公演には台湾各地の人形遣いが集まった他、台中市の伝統芸能団体「九天民俗技芸団」も出演。台湾語で演じられ、日本語と英語の字幕が付けられた。
新勝景掌中劇団の副団長の朱祥溥さんは中央社の取材に対し、飲み物を差し入れたいとのメッセージが劇団のフェイスブックに寄せられた他、公演後には多くの人がSNSに公演の様子を投稿していたと明かし、日本の人々が伝統芸能を大切にしている気持ちが伝わったと話した。
また、今回の公演で最も良かったのは、観客が劇中のユーモアを理解し、笑いや拍手のタイミングを分かってくれたことだとし、自身の海外公演経験の中でも最も成功した回の一つだったと振り返った。