(台北中央社)超党派の議員連盟、日華議員懇談会(日華懇)のメンバーは10日、台北市の総統府前で行われた中華民国国慶日(国家の日)の記念式典に出席した。午後に同市内のホテルで開かれた記者会見で佐々木紀事務局長代行は、台風18号の影響で水があふれ、洪水被害が発生した東部・花蓮県のせき止め湖の水位監視のため、国土交通省がダム水位観測ブイを提供すると明らかにした。
訪台したのは古屋圭司日華懇会長ら28人の衆参両院議員。佐々木氏は、式典後には頼清徳(らいせいとく)総統や蕭美琴(しょうびきん)副総統らとの昼食会に出席し、台風18号の被害について見舞いの言葉を述べた他、見舞金の目録を贈呈したと説明した。ダム水位観測ブイは、台湾側からの要請があったと述べた。
また高市早苗自民党新総裁の親書を、与党・民進党主席(党首)である頼総統に手渡したと明かした。総裁就任に当たり頼総統から祝福のメッセージが寄せられたとし、その返答だという。
訪台初日の9日には韓国瑜(かんこくゆ)立法院長(国会議長)との昼食会を兼ねて、女性議員交流、戸籍問題、地方交流促進、環太平洋経済連携協定(TPP)などに取り組む日華懇の各プロジェクトチームの活動報告や立法委員(国会議員)との交流会を実施したと説明。台湾の経済団体、中華民国三三企業交流会(三三会)や偽情報対策、メディアリテラシー強化を行う台湾ファクトチェックセンターとも意見交換をしたと語った。
その上で日台双方は、米国、オーストラリアをはじめとする自由や民主主義、法の支配、基本的人権といった共通の価値観を持つ国々が連携を密にして、着実に台湾有事を起こさせないように取り組んでいくということを互いに確認したと述べた。
(齊藤啓介)