(台北中央社)1910~30年の台湾美術界を代表する彫刻家、黄土水(1895~1930年)に焦点を当てた展覧会が、東京・上野の東京芸術大学大学美術館で9月から開催される。台湾で国宝に指定されている裸婦像「甘露水」などが海を渡り、黄の“母校”に里帰りする。
同館と共同で展覧会を主催する国立台湾美術館(中部・台中市)によれば、黄は1915~22年に台湾出身者として初めて東京芸大の前身、東京美術学校に留学し、近代彫刻を学んだ。「甘露水」は黄の死後に台湾に移されたが、政治的要因などで長期間にわたり日の目を見る機会がなかった。修復を経て2021年に台北市内の美術館で公開された後、国立台湾美術館に収蔵され、その後23年に国宝に指定された。
展覧会では黄の作品10点や関連資料に加え、黄を指導した高村光雲をはじめとする同時期に活躍した彫刻家や洋画家の作品を紹介。台湾出身の東京美術学校卒業生の自画像作品も展示される。
展覧会は「黄土水とその時代―台湾初の洋風彫刻家と20世紀初頭の東京美術学校」と題し、9月6日から10月20日まで開催。9月17日、24日、10月15日は休み。