(台北中央社)東部・台東県の離島、蘭嶼に暮らす台湾原住民(先住民)族タオ族のメンバーで構成されるパフォーマンスグループ「海洋之声」とバンド「ワイルドシング」(野東西)が、オーストリアやリトアニアで公演し、多様性に富んだ音楽やダンスで観客を魅了した。
公演は文化部(文化省)や駐ドイツ代表処(大使館に相当)文化組、地元の団体などが共同で支援するプロジェクトの一環で行われ、2022年に続いて2度目。2組は5月24日から6月1日までオーストリア、リトアニア両国を訪問し、原住民文化の復元や保存の成果をアピールした。
海洋之声は伝統的な祭典の際に歌われる楽曲やメノウと貝殻で作った首飾りを身に着けて踊るダンスなどを披露。ワイルドシングは独自のスタイルでタオ族の音楽と趣を表現した。また蘭嶼に建設された放射性廃棄物貯蔵施設を巡る抗議活動の様子も紹介した。
駐オーストリア代表処の張小月(ちょうしょうげつ)代表(大使に相当)は、台湾とオーストリアにより緊密なつながりを持たせてくれたと感謝。駐リトアニア代表処の王雪虹(おうせつこう)代表は、タオ族の美しさと哀愁が具体的に表現されていたと語った。
駐ドイツ代表処文化組によると、プロジェクトは政府系研究機関、中央研究院やフランスの研究機関などが収蔵する録音資料などを組み合わせて原住民のオーラルヒストリー採集の成果を紹介する取り組みで、現在の芸術と融合した創作を行い、原住民文化を保存し、発展させているという。