(台北中央社)日本統治時代、台北市の中心部に建設された建物が27日、同市の市定古跡に登録された。同時代初期の店舗建築の特色を備え、歴史的価値や希少性の高さ、再現の難しさなどが評価された。
同市文化局によれば、建物は1912年から15年までの間に建てられた。布製品や雑貨などを扱う「奥野商店」の店舗として使われていたという。3階建てで、木造とれんが造りが組み合わされている。外観はすでに古びていて破損箇所もあるものの、同店の物とみられる屋号紋が残っている他、外面の装飾も当時の姿をとどめている。
同局が27日に開いた審議会には、建物の所有者の代表も出席。建物を完全な形で保存できることを強く望む考えを表明した。内装工事などによって建物の構造に影響が出るのを避けるため、数十年にわたって建物を外部に貸し出さなかったという。
建物の管理、維持は所有者が行う。また、所有者には修復や再利用の計画を市文化局に提出することが求められる。
住所は同市中正区衡陽路92号。台北メトロ(MRT)西門駅から200メートルほどの場所に位置し、建物の向かいには同じく市定古跡の旧台北信用組合がある他、国定古跡の旧台北公会堂(中山堂)にも近い。