(台南中央社)南部・台南市の国立成功大学博物館に所蔵されている「若槻道隆校長勅任官大礼服」が今月5日、台南市の文化資産に指定された。大礼服は日本統治時代に制作されたもの。成功大は長年にわたって保管し続けた若槻氏の遺族に感謝を表した。
若槻氏は日本統治時代の1931年から41年まで、成功大の前身である台南高等工業学校の初代校長を務めた。同大によると勅任官は台湾総督府の文官区分で総督に次ぐ地位。大礼服は若槻氏が正式な式典に出席する際に必ず着用していたものだという。
大礼服は戦後、若槻氏の遺族が日本で保管していたが、2013年に子孫が同館に寄贈した。その後台湾と日本の専門機関で3年にわたり研究と修復作業が行われた。
市は指定の理由について、地域の重要人物や歴史事件に関係があることや台湾に現存する日本統治時代の文官大礼服で希少性が高いことを挙げている。