(台北中央社)西郷隆盛のひ孫で鹿児島県を中心に活動する薩摩焼の陶芸家、西郷隆文さんの個展が、日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会台北事務所で開かれている。13日には隆文さんの講演会が開かれ、薩摩焼や西郷家と台湾との関係について語った。
隆文さんの祖父、西郷菊次郎は日本統治時代、北東部の宜蘭で宜蘭庁長(当時)を務め、台湾と縁がある。隆文さんの個展が台湾で開かれるのは2019年以来約4年ぶり。20年にも開催の予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期となっていた。
会場では薩摩焼の土に火山噴出物のシラス粒子を熱して中を膨らませた「シラスバルーン」を混ぜて作った陶器に漆を塗り、本金を重ねた初公開の33作品が展示された。
講演前に中央社の取材に応じた隆文さんは台湾について「暑くて温かくて、とても居心地がいいと感じている」とした上で、展示された作品については「誰も見ていないし、台湾で初めて公開するので、ここで成功したら鹿児島で逆輸入という形で発表しようと思っている」と語った。
個展は14日まで。
(齊藤啓介)