(北京、台北中央社)中国を訪問している台湾の最大野党・国民党の鄭麗文(ていれいぶん)主席(党首)は10日午前、北京の人民大会堂で中国共産党の習近平総書記と会談した。鄭氏は午後の記者会見で、政治的相互信頼の下で台湾の国際活動空間の拡大を図りたいと主張したと語った。会談を受け、与党・民進党は同日、中国に対し、中華民国台湾の人々の自由や民主主義に対する堅持を尊重するよう呼びかけた。
▽習氏の反応「非常に前向き」
鄭氏は、両岸(台湾と中国)が政治的信頼を再構築した後、世界保健機関(WHO)や国際民間航空機関(ICAO)の総会への復帰を促進し、国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)総会への参加も模索すべきだと述べた。また地域的な包括的経済連携(RCEP)、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加についても両岸で検討すべきだとした。
習氏の反応については「非常に前向きだった」、「台湾側の期待とニーズをとても重視していた」と語った。
国民党の資料によると、鄭氏はこの他、両岸関係の平和的な発展推進▽両岸間の協議メカニズムの回復▽台湾海峡の平和と安定の維持、両岸の互恵関係の増進▽国共両党の意思疎通プラットフォームの継続的な機能の発揮―などを主張したという。
▽民進党、中国に事実の直視呼びかけ
民進党の李坤城(りこんじょう)広報担当は報道資料を通じ、今回の会談で重要なのは何を言ったかではなく、何をしたかだと強調。軍用機や軍艦による嫌がらせ、台湾人の国際参加に対する圧力をやめ、台湾が中国の浸透・破壊工作を受けなくなってこそ、真の善意であり、平和のシグナルだと述べた。
また北京当局が定義する「92年コンセンサス」は「一つの中国」や「一国二制度」を意味していると指摘。台湾は一国二制度を受け入れず、台湾の民意も断固として反対しているとし、それが「台湾コンセンサス」だと主張した。
中国に対しては、台湾の人々が共同で築き上げた民主主義の国家体制を否定するのではなく、中華民国台湾が存在する事実を直視するよう呼びかけ、分断や利益誘導の手段で台湾の人々の選択に介入すべきではないと述べた。
▽専門家「一つの中国」に言及せず「平和的」
政治大学東アジア研究所特別教授で同大国際関係研究センターの王信賢主任は、会談の冒頭部分について、習氏の発言は中華民族や中華文化、両岸は家族であるという認識、両岸の交流と平和を軸にしていたと指摘。意外性はなく、全体として平和的だったとの見方を示した。
また「92年コンセンサス」に触れながらも、「一つの中国」には言及がなかった点は注目に値するとし、より柔軟で国民党に対しても比較的前向きだったと述べた。