(台北中央社)海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)は28日、中国の海警局の船が2日間連続で離島・金門周辺海域に姿を見せた他、船舶自動識別装置(AIS)の電源を入れない状態で南シナ海の東沙(プラタス)諸島周辺の制限水域に進入したと明らかにした。同署は、東沙での配備をテストする狙いがあった可能性を排除しないとしている。
27日午後、海警船4隻が金門周辺海域に進入し、28日午前にも再び同海域を徘徊(はいかい)した。海巡署金馬澎分署は巡視艇4隻を派遣して対応し、海域を離れるよう無線で求めた。また、同日午前8時ごろ、東沙島の北北東27カイリ(約50キロ)の海域で、海警船「3102」がAIS未作動のまま、中国船の未許可での進入を禁じている水域に進入したのを統合監視システムによって発見した。巡視船「巡護八号」を即座に現場に向かわせ、全行程を監視し、無線による警告で退去させた。
中国海警局は28日、金門付近の海域で法に基づいて常態的な法執行パトロールを実施したと説明。これに対し、海巡署は同日、報道資料で反発した。
海巡署は、中国海警船による行動は両岸(台湾と中国)間の緊張を高めるだけでなく、地域の平和と安定を破壊するものだとして厳正に非難した。