(台北中央社)情報機関、国家安全局が立法院(国会)に提出した報告書で、2020年から現在までに中国のスパイ事件で起訴された人のうち、現役・退役軍人が占める割合が約6割に達していることが分かった。顧立雄(こりつゆう)国防部長(国防相)は8日、情報の漏えいを防ぐため、機密情報にアクセスする際の検査を強化する方針を示した。立法院に出席する前に報道陣の取材に応じた。
国家安全局によれば、2020年から現在までに中国のスパイ事件で起訴された人は159人に上り、このうち95人が現役・退役軍人だった。内訳は士官46人、下士官27人、兵士22人。同局は、中国の狙いは高級士官に限定されていないとし、台湾への浸透の手口が多様化し、全面的になっていることが浮き彫りになったと指摘した。
顧氏は、中国はあらゆる手段を用いて必要な情報を得ているとし、国軍は中国が重点を置くターゲットの一つだと説明。一方で、軍は安全を守るための教育を進めており、スパイ事件の約87%が軍人の通報によって摘発されたものだと紹介した。また、現在は機密情報にアクセスする際の検査を重視しているとし、階級を問わず、ある程度の機密情報に触れる際には関連の検査を済ませる必要があると述べた。