(台北中央社)中国共産党が台湾出身の芸能人に対して「祖国統一」への支持を表明するよう圧力をかけているのを受け、台湾で対中政策を担当する大陸委員会は27日、報道資料を発表し、「このような政治的操作では台湾の人々の心を勝ち取ることはできず、中国共産党政権に対する台湾社会の反感を高めるだけだ」と非難した。
中国の政府系メディア、中国中央電視台は22日、短文投稿サイト「微博」(ウェイボー)の公式アカウントに、「台湾は一貫して一つの国家ではなく、永遠に一つの国家にはなり得ない」「『台湾独立』は終焉(しゅうえん)に向かうのみだ」などとつづった文章と、国旗「五星紅旗」に使われる赤と黄色で「統一」と書いた画像を投稿。25日には、この投稿をシェアした台湾出身の芸能人18人の投稿をスクリーンショットの形式でまとめ、さらにハッシュタグ(検索目印)付きで「台湾の芸能人が続々と祖国統一支持を表明」「中国台湾省」などの文言を添えた。
同委は、「中国共産党は台湾の芸能人に政治的態度の表明を求めることで、両岸(台湾と中国)が同じく『一つの中国』であるとの虚構を故意につくり出している」と指摘し、これでは「台湾社会からの同意は得られない」と表明。また、中国共産党が長年、芸能従事者の言動を審査し、政治的態度の表明を求めてきたことに触れ、同意を全く得られないばかりか、「両岸の交流にも不利益だ」と強調した。中国共産党に対し、中華民国が存在するという事実を正視するよう呼びかけるとともに、台湾の芸能人については、中国で活動する際には関連のリスクを慎重に検討し、言動においても台湾社会からの印象を考慮するよう注意を促した。