(台北中央社)離島・金門県の多年小学校が、長崎で行われる国際芸術プロジェクト「キッズゲルニカ」に参加する。スペインの画家パブロ・ピカソの「ゲルニカ」と同じ縦3.5メートル、横7.8メートルの大型キャンバスに「平和金門島」と題した色彩豊かな絵を描いた。平和への願いを伝えている。
キッズゲルニカは子供たちが平和を願って絵画を描くプロジェクト。多年小からは5年生の児童が参加した。児童は自分たちの歴史を起点として、戦争や平和への理解を絵で表現した。完成までには3カ月近くを費やした。
中国福建省に近い金門は国共内戦下で軍事的対峙(たいじ)の最前線となり、1949年の古寧頭戦役や58年の金門砲戦など人民解放軍による武力侵攻と戦ってきた歴史を持つ。同小学校の張志猛校長によれば、絵画を制作するに当たっては教師が金門の戦争の歴史を児童に伝え、児童はそれをかみ砕き、豊かな想像力で絵として表現したという。
制作した絵画には金門の海岸に国共内戦時から残る障害物「軌條砦」や戦車などが描かれた。スペインの画家ジョアン・ミロの作風を取り入れたという。
作品は6月まで校内で展示された後、日本に送られる。