(台北中央社)江戸時代の東京の様子を描いた浮世絵やびょうぶなどを展示する特別展「江戸浮世之美」が30日、南部・嘉義県の国立故宮博物院南部院区(南院)で開幕した。日本や台湾の美術館などから借り入れた150点を含む218点を展示し、江戸時代の都市の繁栄を台湾の人々に紹介する。
開幕記者会見が29日、現地で開かれた。故宮の蕭宗煌(しょうそうこう)院長や翁章梁(おうしょうりょう)嘉義県長、日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会の片山和之台北事務所代表(大使に相当)、作品を貸し出した美術館や博物館など9館の館長らが出席した。日本からは出光美術館や早稲田大学坪内博士記念演劇博物館、足立区立郷土博物館、東京都立中央図書館、東京富士美術館、和泉市久保惣記念美術館、国立歴史民俗博物館の7館が協力した。
蕭院長は、今回の特別展は故宮創立100周年、南院開館10周年の節目の年に開催する重要な国際交流の一つだと紹介した。
キュレーターを務めた故宮南院の朱竜興副研究員によれば、目玉の一つは17世紀の江戸の町並みを俯瞰(ふかん)して描いた重要文化財「江戸名所図屏風」。広げると横10メートル近くにもなる。6月15日までの期間限定展示となる。
この他、新千円紙幣に採用された「神奈川沖浪裏」や「山下白雨」といった「冨嶽三十六景」の名作も今後、入れ替わりで順次展示される。
同展は8月31日まで。