北部・基隆市政府は29日、清朝時代に建設され、現在は団体を対象に限定で公開している市内の旧鉄道トンネル「劉銘伝隧道」について、今年末にも自由見学を可能にすると発表した。現在封鎖している南側の出口も開放し、近隣の獅球嶺砲台に徒歩で連絡ができるようになるとしている。
基隆市安楽区公所(役所)によると、同隧道は1890年に完成。台湾初の鉄道トンネルで、清朝時代の鉄道トンネルとしては唯一現存しているという。排水不良や部分的ながけ崩れにより、2009年に閉鎖されたが、19年からの修繕工事を経て、23年末から公開が再開された。ただ、昨年4月からはトンネル内にすむタイワンカグラコウモリの保護のため、見学は事前に予約をした団体のみに限られていた。
市政府文化観光局の江亭玫局長は、南側の出口では獅球嶺の廟(びょう)につながる歩道の整備を進めており、11月にも完成するとの見通しを示し、年末には全面的に公開すると明らかにした。
またタイワンカグラコウモリの保護については、子育ての期間やそれ以外の期間に見学可能人数の制限を変えるなどして対応する方針を示した。