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【写真特集】ひまわり学生運動、きょうで10年 現場の写真から振り返る/台湾

2024/03/18 18:35
学生らが占拠した立法院議場には、支援者から贈られたヒマワリが置かれた。このため次第に「ひまわり学生運動」と呼ばれるようになった
学生らが占拠した立法院議場には、支援者から贈られたヒマワリが置かれた。このため次第に「ひまわり学生運動」と呼ばれるようになった

中国とのサービス貿易取り決めを巡り、学生らが撤回を求めて立法院(国会)を占拠した「ひまわり学生運動」の発生から18日で10年を迎えた。2014年3月18日夜、学生や市民団体らが立法院に突入して議場を占拠、正門を封鎖し、24日間にわたる運動を繰り広げた。台湾で初めて市民が立法機関に押し入り、1980年代以降で最大規模の「市民的不服従」社会運動となった。当時、中央社記者が現場で撮影した写真から、ひまわり学生運動を振り返る。

3月17日

導火線となったのは、3月17日に行われた中国とのサービス貿易取り決めに関する立法院(国会)の委員会審査。当時の与党・国民党の立法委員(国会議員)が、すでに審査期間が3カ月を超えていることを理由に「審査が完了した」とみなすべきだとの考えを示し、与野党議員のもみ合い(=写真)の中で審査中止を宣言した。この間わずか30秒。ブラックボックスで協議が行われたとして反発を招いた。
導火線となったのは、3月17日に行われた中国とのサービス貿易取り決めに関する立法院(国会)の委員会審査。当時の与党・国民党の立法委員(国会議員)が、すでに審査期間が3カ月を超えていることを理由に「審査が完了した」とみなすべきだとの考えを示し、与野党議員のもみ合い(=写真)の中で審査中止を宣言した。この間わずか30秒。ブラックボックスで協議が行われたとして反発を招いた。

3月18日

ブラックボックス協議に反対する市民団体が立法院(国会)の外で集会を開催。夜9時ごろ、100人を超える学生や市民が警察の包囲網を破って立法院に突入し、議場を占拠した。学生らは議長席で「サービス貿易の審査通過を拒否」などの横断幕を掲げた
ブラックボックス協議に反対する市民団体が立法院(国会)の外で集会を開催。夜9時ごろ、100人を超える学生や市民が警察の包囲網を破って立法院に突入し、議場を占拠した。学生らは議長席で「サービス貿易の審査通過を拒否」などの横断幕を掲げた

3月19日

学生らは議場の8つの扉の前に椅子を積み上げ、警察の進入を阻止(=写真)。19日午前8時、学生は馬英九総統(当時)の早急な謝罪やサービス貿易取り決めの審査やり直しなどの要求を発表した
学生らは議場の8つの扉の前に椅子を積み上げ、警察の進入を阻止(=写真)。19日午前8時、学生は馬英九総統(当時)の早急な謝罪やサービス貿易取り決めの審査やり直しなどの要求を発表した
立法院周辺は、議場内の学生らを応援する人々で溢れかえった
立法院周辺は、議場内の学生らを応援する人々で溢れかえった

3月20日

議場を占拠した学生らは馬総統に対し、開かれた形での対話と協議を呼びかけると同時に、両岸取り決め監督条例の可決を承諾するよう求めた
議場を占拠した学生らは馬総統に対し、開かれた形での対話と協議を呼びかけると同時に、両岸取り決め監督条例の可決を承諾するよう求めた

3月23日

馬総統が国際記者会見を開き、サービス貿易取り決めの重要性と必要性を訴えたことに対し、学生団体は「誠意の欠片もない」と判断。夜7時、一部の学生と市民が行政院(内閣)庁舎に突入した(=写真)
馬総統が国際記者会見を開き、サービス貿易取り決めの重要性と必要性を訴えたことに対し、学生団体は「誠意の欠片もない」と判断。夜7時、一部の学生と市民が行政院(内閣)庁舎に突入した(=写真)

3月24日

未明、警察は強制排除を実施。その過程で多くの人が流血や骨折などで病院に搬送された。監察院が2023年5月に発表した調査報告によれば、警察の統計では負傷者数を42人としていたが、実際には166人が救急外来を受診した。(写真=強制排除に対して地面に仰向けになって手を取り合い、抵抗する人々)
未明、警察は強制排除を実施。その過程で多くの人が流血や骨折などで病院に搬送された。監察院が2023年5月に発表した調査報告によれば、警察の統計では負傷者数を42人としていたが、実際には166人が救急外来を受診した。(写真=強制排除に対して地面に仰向けになって手を取り合い、抵抗する人々)

3月30日

国家による暴力を非難する集会が総統府前のケタガラン大道で行われ、道路は参加者で埋め尽くされた。参加者数は警察の発表では最多で約11万6000人余りとされたが、主催者は50万人が集結したとしている
国家による暴力を非難する集会が総統府前のケタガラン大道で行われ、道路は参加者で埋め尽くされた。参加者数は警察の発表では最多で約11万6000人余りとされたが、主催者は50万人が集結したとしている

4月6日

王金平立法院長(国会議長=中央)が立法院を訪れ、学生と初めて顔を合わせた。「取り決め監督制度の立法までは、サービス貿易に関する話し合いや関連会議などを行わない」との声明を発表し、「まず立法してからその後に審査する」ことに同意した
王金平立法院長(国会議長=中央)が立法院を訪れ、学生と初めて顔を合わせた。「取り決め監督制度の立法までは、サービス貿易に関する話し合いや関連会議などを行わない」との声明を発表し、「まず立法してからその後に審査する」ことに同意した

4月7日

王氏の声明を受け、学生団体は10日夜6時に議場から撤退すると発表した
王氏の声明を受け、学生団体は10日夜6時に議場から撤退すると発表した

4月10日

午後6時17分、100人余りの学生がヒマワリを手に立法院を後にし、24日間にわたる運動が幕を下ろした。学生代表の一人、陳為廷氏は今回の運動について「成功ではないが、失敗でもない」、同じく学生代表の林飛帆氏は「この運動はまだ終わっていない。われわれは理想を抱いてやって来た。今は責任を背負って歩んでいく」とそれぞれ話した
午後6時17分、100人余りの学生がヒマワリを手に立法院を後にし、24日間にわたる運動が幕を下ろした。学生代表の一人、陳為廷氏は今回の運動について「成功ではないが、失敗でもない」、同じく学生代表の林飛帆氏は「この運動はまだ終わっていない。われわれは理想を抱いてやって来た。今は責任を背負って歩んでいく」とそれぞれ話した

(編集:名切千絵)

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