(台北中央社)台湾鉄路(台鉄)は6月23日から運賃を値上げする。行政院(内閣)が運賃改定案を承認した。台鉄董事長(会長)代理を兼務する伍勝園(ごしょうえん)交通部(交通省)政務次長が7日、立法院(国会)交通委員会で明らかにした。値上げ幅は平均26.8%となる。
台鉄は昨年、過去最大となる137億9000万台湾元(約643億5500万円)の赤字を計上。約30年にわたって運賃改定をしておらず、運賃の低さが赤字の原因の一つだとして今年2月、値上げを発表していた。
台鉄の試算によれば、台北—板橋(北部・新北市)の区間車(各駅停車)運賃は現行の15台湾元(約66円)から22元(約97円)に、台北―高雄(南部・高雄市)の自強号(特急)運賃は現行の843元(約3722円)から994元(約4389円)にそれぞれ値上げする。中長距離区間では、距離が長くなるほど賃率が低くなる「遠距離逓減制」を採用する。
台鉄は、短距離区間の運賃はメトロ(MRT)や路線バスと比べて安く、行政院が導入している共通1カ月定期券「TPASS」もあるため、短距離の通勤・通学客は値上げの影響を受けないと説明。中長距離区間の利用者についても遠距離逓減制の採用により、影響は限定的だとの立場を示した。