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蒸気機関車けん引の観光列車、今年の初便が出発 台湾東部の観光振興に期待

2024/07/13 16:29
観光列車「仲夏宝島号」の今年の初便の出発式に臨む台湾鉄路の杜微董事長(左から3人目)
観光列車「仲夏宝島号」の今年の初便の出発式に臨む台湾鉄路の杜微董事長(左から3人目)

(花蓮中央社)蒸気機関車がけん引する台湾鉄路(台鉄)の観光列車「仲夏宝島号」の今年の初便が13日、東部・花蓮県の玉里駅を出発した。玉里と台東駅(台東県)間を走る。出発式に出席した台鉄の杜微(とび)董事長(会長)は、今年4月の地震で被災した花蓮や台東の観光振興に期待を寄せた。

台鉄は2014年から毎年夏に仲夏宝島号を運行。台鉄によれば、「蒸気機関車の女王」と呼ばれる1943年川崎製のCT273蒸気機関車が莒光号の客車6両をけん引し、花蓮―台東間の特色ある駅に停車する。CT273は台湾で動態保存される唯一の蒸気機関車となっている。今年は当初、3本のみの運行を予定していたが、販売開始直後に乗車券が完売したため、計6本に増やした。

出発式では、かつて列車の通行証の役割を果たしていた金属製の輪っかが杜氏から運転士に手渡され、今では見られない懐かしい光景が再現された。

乗客の一人は、地震後、花蓮の鉄道や道路が不安定になっているため、当初は少し迷っていたと明かしつつ、ここ数日は比較的安定している上に、仲夏宝島号は不安定な区間を避けて運行されるため、安心して旅を楽しめるとし、夏だけでなく、季節ごとに運行してほしいと話した。

運転手を務める黄隆華さんは、列車を走らせることこそが最高のメンテナンスだと語る。丸1年の丁寧なケアは、仲夏宝島号が「蒸気機関車の女王」に乗客を連れて花蓮―台東間をゆっくりと走らせるためにあるとし、太陽に照りつけられてもそのかいがあると話した。

(張祈/編集:名切千絵)

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