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台湾中部でコウノトリが自然繁殖 農業部、日本の専門家らと保全巡り意見交換

2026/06/10 19:24
コウノトリの野生復帰に向けた取り組みを紹介する日本コウノトリの会の佐竹節夫代表=6月9日、雲林県(林業・自然保育署南投分署提供)
コウノトリの野生復帰に向けた取り組みを紹介する日本コウノトリの会の佐竹節夫代表=6月9日、雲林県(林業・自然保育署南投分署提供)

(雲林中央社)絶滅危惧種のコウノトリが今年春、中部・雲林県で自然繁殖に成功した。農業部(農業省)林業・自然保育署南投分署は9日、日本コウノトリの会や金沢大学の専門家などを招いて交流し、コウノトリの保全や生息地の管理などに関して意見交換をした。

同分署によると、コウノトリは濁水渓近くの送電用鉄塔に巣を作り、産卵した。親鳥による抱卵、育雛(いくすう)、幼鳥の巣立ちも確認され、大きな注目を集めた。鉄塔を管理する独立系発電事業者の麦寮汽電は、電力供給の安全と電力システムの安定を確保しながら、生態系を優先し、コウノトリが繁殖できる環境づくりに協力したという。公表された自然繁殖の記録としては世界で最も低緯度での事例の一つとされる。

日本の専門家らは同日午前、濁水渓の河口にある生態拠点を訪問。コウノトリ用の巣塔や生息環境、管理方法などについて意見交換した。

また午後には日本コウノトリの会の佐竹節夫代表が、兵庫県豊岡市で進められてきた野生復帰事業を紹介。人工巣塔の設置や湿地整備、生態系に配慮した農業、地方の参加などの取り組みを説明した。金沢大学の菊地直樹教授は、環境社会学や地域資源管理の観点からどのように人間社会と自然が共生するかを解説した。

同分署は日本の経験を通じ、台湾の研究観察と保全政策の取り組みの対話を図り、大型水鳥の保全や生息地管理、分野横断的な協力体制の構築に向けた視野の拡大を目指したいとした。

今回の交流では、今後も濁水渓流域や周辺の農地、湿地、養殖池などでのコウノトリの活動を注視することで一致した。日本の経験を参考に、巣塔の設置や生息地のモニタリング、関連研究の実現可能性を検討するとした。また引き続き日本の専門家や台湾の研究機関などとの交流を続け、台湾と日本のコウノトリ保全協力の出発点にしたいと期待を寄せた。

(姜宜菁/編集:齊藤啓介)

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