(金門中央社)中国・福建省に近い離島の金門で6日午前、中国籍の男が金門県政府前で「台湾統一」などと書かれたビラをまく騒ぎがあった。男は警察に連行された後、内政部(内務省)移民署による事情聴取を受け、許可された訪台目的とは異なる活動を行ったとして、台湾地区・大陸地区人民関係条例(両岸条例)第18条の規定に基づき、同日午後に強制退去処分となった。
騒ぎを目撃した県政府の警備員によると、男は午前9時ごろ、片面に中華民国国旗、もう片面に中華人民共和国国旗がデザインされた旗を持ち、県政府庁舎前の階段付近でビラをまいた。男は現場から立ち去ろうとしたが、県政府職員や警備員に制止され、通報を受けて駆け付けた警察官によって派出所に連行され、移民署の職員の事情聴取を受けた。これまでに同様の騒ぎが起きたことはなかったという。
移民署金門専勤隊は報道資料を通じ、男は5日、台湾側の離島と中国を結ぶ渡航ルート「小三通」を利用し、個人旅行の名目で金門に入ったと説明。退去後、規定に基づき、一定期間は訪台できないとしている。
男は中国へのフェリーが出る水頭埠頭(ふとう)へ移送される際、「両岸平和統一」「打倒台湾独立」などと複数回叫んだ。
台湾で対中政策を担う大陸委員会の梁文傑(りょうぶんけつ)副主任委員(副大臣)兼報道官は6日午後の定例会見で、男の背後に招待した組織がないか調査すると強調。仮に組織があった場合、説明を求め、一定の処分を科すと述べた。

