(台北中央社)内政部(内務省)移民署は2日、大陸地区(中国)の戸籍や旅券(パスポート)を取得したとして、約50人の台湾戸籍を廃止するよう戸籍関連機関に通知したと発表した。台湾では、台湾の人々が中国に戸籍を置いたり、旅券を取得したりすることを禁じており、移民署は中国の身分認定に関わる証明書の取得に関して調査を進めている。
移民署によれば、関連機関や市民からの通報を受けて調査を行った結果、約50人が中国の戸籍や旅券を取得していることが確認された。
頼清徳(らいせいとく)総統は今年3月、国家安全保障や統一戦線工作の脅威に対抗するための17項目の戦略を打ち出した。この中で、国民、特に軍人や公務員、教員が中国の身分認定に関わる証明書を申請する事例について調査する方針を示していた。
この方針を受け、内政部は8月、中国の旅券取得や戸籍登記を理由に台湾の身分を失った元台湾人の、台湾の身分再取得に関し、要件を厳格化する改正案を公表。中国共産党の政治的宣伝に関与した人の申請を認めない内容などを新たに盛り込んだ。
また、政府は10月31日、大陸地区出身者が台湾で定住許可を申請する際の要件を厳しくした改正規定を施行した。従来から求めていた元の国籍の喪失証明に加え、中国旅券の未所持または放棄を証明する公文書の提出を新たに要件に加えた。政府は、これまでに定住許可を得ている元中国籍配偶者約1万2000人に対しても、国籍喪失証明の追加提出を求めている。