(台北中央社)国内でのアフリカ豚熱(ASF)の陽性確認から、15日間のウイルス潜伏期間が経過したのを受け、陳駿季(ちんしゅんき)農業部長(農相)は5日、生きたブタの移動を6日正午に解禁すると発表した。ブタの食肉処理や競り、食肉の運搬は7日午前0時から再開される。
アフリカ豚熱の発生は、中部・台中市の養豚場1カ所でブタの死亡が相次いだことから発覚。10月21日に検査で陽性と確認され、25日に感染の確定診断が出た。政府は感染拡大防止のため、10月22日から全国でブタの移動と食肉処理を禁止してきた。
ASF中央災害対策センターが3日に公表した調査結果では、食品残さ(生ごみ)を食べていたブタから感染が発生したとし、食品残さの加熱処理が行われていなかったことが原因である可能性が大きいとの見解が示された。また、同センターが全国の養豚場や食肉処理場、食肉市場などで行った検査で別の感染例や陽性反応は確認されず、単独で発生した事案だと報告された。
台湾でアフリカ豚熱の感染が確認されたことは過去になく、今回が初の発生例となった。
ブタの移動や食肉処理の禁止措置により、「肉円」(バーワン)や「排骨麺」(パイコー麺)など豚肉を使った料理を主に提供する飲食店の一部が休業を余儀なくされるなどの影響も生じた。

