(台北、ワシントン中央社)外交部(外務省)は4日、来年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を開催する中国当局が、台湾の参加は「一つの中国」原則の順守が前提条件だとしたことについて「強い抗議と不満」を表明した。
次回のAPEC首脳会議は来年11月に中国広東省深圳で行われる。ロイター通信は同日、中国外務省が同社の取材に対し「全てのメンバーエコノミー(参加国・地域)が円滑に参加することに何ら問題はない」、「チャイニーズタイペイがAPECの活動に参加するための鍵は『一つの中国』原則や関連するAPECの覚書を順守することにあると強調する」と答えたことを伝えた。
外交部の蕭光偉(しょうこうい)報道官は報道資料を通じ、わが国はAPECの正式なメンバーエコノミーであり、他のメンバーエコノミーと同様、平等に参加する権利を有していると指摘。中国の行為はAPECの規範と運用に深刻に背いていると述べた。
また、中国が昨年に書面で、各メンバーエコノミーの参加者の安全と中国への円滑な出入りを約束した他、昨年と今年のAPEC閣僚会議の共同声明には「全メンバーエコノミーは首脳会議を含む各APEC会議に平等に参加するべき」ことが明記されたと言及。中国に対し、これらの約束を誠実に履行するよう厳正に求めたとした。
その上で、台湾の参加を矮小化や排除しようとするいかなる政治的行動も、わが国は断じて受け入れず、理念を同じくするパートナーと共に断固として対抗していくと主張した。
▽米国も台湾の「完全かつ平等」な参加を支持
米国務省の報道官は米東部時間4日、中央社の取材に対し「『チャイニーズタイペイ』として参加している台湾を含め、APECの全てのメンバーエコノミーが完全かつ平等に参加できるよう要求する」と述べた。中国側に対しては、参加者の安全が確保できるよう規則の策定を求めるとした。