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劇場版「鬼滅の刃」、台湾で興収8億円突破 離島の映画館には多くの中国人客

2025/08/14 13:07
「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」の看板=8月12日、新北市の板橋秀泰影城
「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」の看板=8月12日、新北市の板橋秀泰影城

(台北、金門中央社)日本のアニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」が台湾で8日公開され、公開から3日で興行収入が1億7000万台湾元(約8億4000万円)を突破した。中国福建省に近い離島・金門県の映画館には、中国よりも早く観賞できることから多くの中国人客が訪れている。

国家映画・視聴文化センターの統計によると、同作は全国98館で封切られ、8日から10日までの3日間で55万3600人余りを動員。台湾の週間興収ランキング(4日~10日)で1位に輝いた。台北市の大型シネマコンプレックス「信義威秀影城」では、多い日で字幕版を1日30回以上上映し、多数の観客を受け入れている。15日からは中国語吹き替え版や4DX版などの上映も始まる。

金門県の映画館「金獅影城」では、大勢の中国人客の来場によって、同館で長らく見られていなかった賑わいを多くの地域住民に感じさせている。同館が入るショッピングモール「風獅爺商店街」の鄭志宏経理(マネジャー)は、大作映画が中国に先行して台湾で公開される場合、以前も金門に映画を見に来る中国人客の姿が比較的多く見られたと紹介。「鬼滅の刃」は社会現象級の作品だとし、同作の上映で同館の売り上げは5割以上増加したと明かした。

取材に応じた金門在住の陳さんは、中国人客が金門で映画を見る現象には以前から気づいていたと話す。中国のロウ・イエ(婁燁)監督の「未完成の映画」(一部未完成的電影)を観賞した際には、上映終了後に数人が感想を言い合っているのが耳に入り、中国人客だと分かったという。同作は中国では見ることができない。「鬼滅の刃」を見に来た中国人客はさらに多く、「中国人客が金門に映画を見に来るのは実はいいことだ。金門の映画館がより長く運営を続けられるから」と語った。

大量の中国人客が金門で文化活動に参加することで地域住民の権益に影響が出る可能性について、金門県政府は、「鬼滅の刃」が多くの中国人客を金門に呼び込んでいるのは単発的な現象であり、現時点では地域住民がチケットを購入できないという状況は確認されていないと説明。今後も地域住民の権益に配慮し続ける他、各地の旅行者が金門で各種の観光・文化活動に参加することを非常に歓迎するとした。

台湾は中国からの観光目的での訪台を解禁していないが、金門については渡航ルート「小三通」を通じて一部中国人の団体旅行や個人旅行を受け入れている。

(吳玟嶸/編集:名切千絵)

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金門県の映画館「金獅影城」=8月12日
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