(台北中央社)半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の機密情報が不正に取得された事件で、台湾高等検察署(高検)知的財産検察分署は2日、半導体製造装置大手、東京エレクトロン(TEL)の台湾子会社を国家安全法違反などの罪で起訴したと明らかにした。 同事件ではTEL子会社の元従業員らが同罪で起訴されており、高検はTEL側に監督責任があったとしている。
高検の報道資料によれば、本件は国家安全法における国家の核心的技術の営業秘密に関する条項に違反したとして法人が起訴される初のケース。1億2千万台湾元(約6億円)の罰金を科すよう求めている。
高検は、TEL側には社員に対する監督責任があったにもかかわらず、社内の規定は一般的、警告的な内容にとどまり、具体的な不正防止の管理や措置が欠如していたと認定。防止策を十分に講じておらず、法人としての刑事責任を負うべきとした。
また高検は、国家の核心的な技術に関する営業秘密を守り、台湾経済の命脈を保護するため、産業界と連携して国家の競争力維持に努めると強調した。
同事件ではTSMCで勤務歴のあるTEL子会社の元従業員が、TSMCの元同僚2人を通じて最先端半導体に関する機密を不正に取得したとされている。3人は11月末、知的財産・商業法院(裁判所)から勾留と接見禁止の継続を言い渡された。